温泉の気持ちよさの理由を科学的に探る
温泉に入ると、「気持ちいい」「疲れが取れる」「すべすべする」など、いろいろな感覚を覚えることがありますね。
出雲・湯の川温泉は「日本三美人の湯」のひとつで、日本有数の上質な美人湯であると昔から言われております。
湯上りの肌はしっとりとした感覚があり、「やっぱり美人の湯だけあるなー」という感想を持たれる方も多くいらっしゃいます。
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「美肌県」の取り組みを推進している島根県とポーラグループの研究所が島根県の温泉の効果について科学的にエビデンスを示す研究を行いました。
この研究の素材として出雲・湯の川温泉 草菴の温泉も使っていただきました。
草菴で取水した温泉を研究所に送ったり、実際の浴槽で温泉に浸かる実験などを2021年から続けて行っており、ついにその結果が、先日発表されました。
温泉と肌の研究法について
41℃に保った精製水と温泉水を使用して、10分間浸した状態を保ち、角質や皮脂に着目して、温泉の肌への影響を調べます。
※整った角層状態は肌のうるおい力と保護力が高く、乱れている角層状態は肌のうるおい力と保護力が低くなるとされます。
※不要な皮脂が、肌の上に存在すると肌トラブルの原因となるため、不要な皮脂は適切に取り除く必要があるとされます。
出雲・湯の川温泉草菴(草庵)の研究結果
研究の結果、「バリア・オアシス温泉」であることが分かりました。
「バリア・オアシス温泉」とは、肌本来の保水力を活かした、モイスチャー温泉。
うるおいを与えながら健やかな肌を保つことができる温泉です。
エビデンスとして湯の川温泉 湯宿 草菴は、精製水と比較して、角質の剥がれ具合が適度に調整されており、うるおい力が高くなっているという効果がありました。
◆草菴の詳しい研究結果はこちらからご覧いただけます◆
これからの温泉の楽しみ方
このような結果が出たことにより、「島根旅行だったら温泉いきたいね」という漠然とした感じから、「いま、すごく乾燥しているから、保湿力のある温泉にいきたいね」といった、ご自身の肌状態などから温泉地を選ぶような方が出てくると面白いなと考えました。
私は温泉ソムリエを取得しており、温泉地や旅館を選ぶ際は、温泉の泉質などを重要視します。しかし、それはあまり一般的ではないと感じていました。
島根県だけでなく、日本中にはたくさんのすばらしい温泉があり、それぞれに特徴があります。また、その温泉を守るため、また良い状態で入浴してもらうための宿の努力もあります。
これから、このような研究をきっかけにして、温泉に入られるときに少しでもその温泉の良さに興味を持っていただける方が増えていけばいいなと感じました。
今回のこの研究は、草菴だけではなかなかできないことでした。お声がけいただき、また、貴重な資料をいただきました島根県、ポーラの皆様に感謝いたします。