こんにちは!
出雲・湯の川温泉 草菴(草庵)「★温泉ソムリエマスター」内田奈緒子です。
冬の寒さが厳しいこの季節、あたたかい温泉につかりたーい!とふと思うこともあるのではないでしょうか。
冷えた身体をじんわりぽかぽかと温め、さらにリラックス効果もある冬の季節の温泉。
この冬、さらに効果的に温泉を楽しんでいただけるように、温泉ソムリエがすすめる「冬の温泉入浴法」をご紹介します。
湯の川温泉の泉質
まずは、湯の川温泉の泉質についておさらいしましょう。
日本三美人の湯・湯の川温泉は「ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物温泉」。
冬にうれしい効果がたくさんつまった泉質といえます。
塩化物温泉
塩化物泉は「温まりの湯」と呼ばれ、「冷え性」には他の泉質以上の効果があるといわれています。身体を芯から温め、湯冷めしにくいのが特徴です。保温効果が優れているので、冷え込む冬の季節には大変うれしい泉質です。
硫酸塩泉
硫酸塩泉は、動脈硬化症に効果があり、鎮静作用や血圧の降下作用もあるため「脳卒中の湯」と呼ばれています。冬は、特に血圧が上がりやすい季節と言われています。硫酸塩泉に入ることで、寒い季節の体調ケアに役立ちます。
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冬のおすすめ温泉入浴法
それでは、温泉ソムリエが教える、冬におすすめの入浴方法をご紹介します。
入浴前のかけ湯を念入りに
寒い時期には、すぐに温泉に飛び込みたい気持ちを押さえて、いつもより念入りにかけ湯をし、身体を温泉に慣らすことが大切です。
体が冷えている状態で急に熱いお風呂に入ると、血圧が急上昇してしまい、身体に負担がかかります。
かけ湯をする際は、心臓から遠い部分(足先など)からお湯をかけ、身体が温まるまで時間をかけて行うことが大切です。
念入りなかけ湯を全身に行うことで、よりリラックスして入浴を楽しむことができます。
半身浴のすすめ
寒い季節、身体への負担を軽減しながら温まるには、「半身浴」もおすすめです。
肩まで湯に身体を沈めてしまいたい気持ちを押さえて、みぞおちあたりまでの深さでじっくりと入浴してみてください。
心臓にかかる水圧が少なくなり、身体への負担を抑えられ、心地よく体を温めることができます。
肩まで湯につからないと、上半身が温まらないのでは?と思われるかもしれませんが、半身浴により全身の血行が促進されるので、しばらく入浴していると上半身もポカポカ温まってきます。
血行が促進されるまでの時間、肌寒く感じるようなら、乾いたタオルを肩からかけたり、肩にお湯をかけたりしながら入浴するとよいでしょう。
分割浴のすすめ
体の芯から温まる入浴方法としては、「分割浴」もおすすめです。
長湯は身体に負担をかけてしまうため、短い時間の入浴と休憩を繰り返すことで、しっかり温まりながら、負担を軽減することができます。
冬期の場合、草菴での湯温は約42℃で設定しております。
【42℃程度の温泉で分割浴を行う場合おすすめの入浴間隔】
3分入浴 → 休憩 → 3分入浴 → 休憩 → 3分入浴
休憩の間は、一度浴槽から出ます。
休憩時は、温泉の蒸気を活用して呼吸を整えてみてはいかがでしょうか。ゆっくりと鼻から息を吸うと、温泉成分を含んだ蒸気も一緒に入ります。
そして、口から細く長く吐き出してみてください。腹式呼吸をすることで、心身ともにリラックスできます。
湯冷め防止のコツ
温泉の効果を持続させるため、湯冷めを防ぐ工夫を取り入れましょう。
塩化物泉は、体表に薄い膜を作るため、湯冷めしにくいのが特徴です。湯上がりは、塩の成分が皮膚に膜をつくり、まるで「温泉パック」のような状態になります。
この「温泉パック」が皮膚からの水分の発散を抑制するので、湯冷めしにくいのです。
この効果をさらに保つため、「温泉上がり湯」をおすすめします。
本来「上がり湯」は、温泉入浴後にシャワーなどで体を洗い流すことを指しますが、湯の川温泉は上がり湯が必要な温泉成分ではありません。そこで提案したいのが「温泉上がり湯」です。
【「温泉上がり湯」の方法】
入浴中に、湯口から桶に新鮮なお湯を汲み、適度に冷ましておきます。
適度に冷めた源泉を入浴の最後に身体にかけてから上がると、表面の汗はさっと流れ、肌に残った温泉成分は流さない、理想の上がり湯を行うことができます。
ぜひお試しください。
水分補給を忘れずに
寒い冬でも、温泉入浴では汗をかきます。入浴前後にはコップ一杯程度の水分補給が必要とされています。※温泉分析書にも表記されています。
また、入浴前の水分補給として、客室にご用意している「緑茶」はとくにおすすめです。
入浴前に客室で緑茶を飲むことで、入浴前の休憩を兼ねた適度な水分補給ができます。
温かい緑茶で体を温めることは、「体の内側からかけ湯」をするようなものです。
また、緑茶に含まれるカテキンは温泉の温熱効果で吸収力が高まると言われています。
湯あたりを防ぐとされるビタミンCも同時に摂取できるため、入浴前にはぜひ召し上がってみてください。
いかがでしたか?
寒い冬ならではの温泉入浴法を取り入れて、心も身体も芯から温まる癒しのひとときをお過ごしください。