こんにちは。出雲・湯の川温泉 草菴(草庵)の見習いソムリエール、峠(たお)ゆきえです。
島根県出雲市平田町【木綿街道】にある酒蔵「株式会社 酒持田本店」にて酒蔵見学と日本酒の試飲をさせて頂いた際のレポート【後編】です。
◆株式会社酒持田本店◆
島根県出雲市平田町785
TEL(0853)62-2023
酒持田本店公式HP
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日本酒造りと島根県
島根県、特に出雲地方と酒造りの関係ですが、古事記の大蛇退治の伝説や、出雲国風土記にお酒についての記録が残っており、1300年前からすでに高度な酒造りの技術があったことから「日本酒発祥の地」と言われています。
そして特に「石を投げれば杜氏に当たる」と言われるくらい多くの杜氏さんがおられたそうです。
また日本酒造りは主に日本海側で発達していることが多く、その理由は、日本海側は太平洋側に比べて冬は特に天気が荒れやすいので農業や漁業がしにくく、その代わりに屋内でもできる酒造りが発展したと言われています。
昔は冬になると杜氏は出稼ぎのために酒屋まで日本酒を造りに出向いていました。現在はほとんどが社員杜氏として酒造りも営業もしています。
日本酒業界のピークは今から100年前の大正時代で、当時は島根県には300件ありましたが、今は30件ほどになっているそうです。
現在も日本酒離れは進んでおり、日本で飲まれている酒類のうち、日本酒の割合は5%と聞いて驚きました。
私も今まで日本酒を飲む機会が少なかったですが、こうして勉強してみると、日本酒製造の技術はたいへん高度で、後世にもずっと語り継がれるべきだと感じました。
そのためには、かなり奥が深くて難しいですが、頑張って日本酒を学んでいきたいと思いました。
試飲のようす
蔵内を案内して頂いた後は、何種類か試飲をさせて頂きました!
写真の左側三種類は、お米は全て「佐香錦」という島根県でしか生産されていないブランド米を使用し、酵母もすべて9号酵母使用、アルコール添加なしの純米ですが、精米歩合と熟成年数の違いがあるものの飲み比べです。
写真右側の三種類は、五百万石の純米生元原酒で精米歩合は70%ですが、酵母の種類が違うものの飲み比べです。
同じお米の種類でも酵母や精米歩合の違いだけで複雑に感じたりすっきり綺麗に感じたり、熟成年数高いものは味が濃く飲み応えがあって、こんなに違いが出るものなのかと驚きました。
その他にもろ過、火入れ、割り水などでも違ってきます。
また、この日は全て冷酒で飲みましたが、常温、ぬる燗、熱燗など、温度を変えることでまた違った風味を楽しめるものもあるので、日本酒の楽しみ方は本当に幅が広いと感じました。
このようなところが、日本酒の難しさでもあり、面白い所でもあります。
新しい日本酒の楽しみ方を提案
ほとんどの日本酒はアルコール度数が15%くらいで、中にはもっと度数が高いものもあります。
そのアルコールの高さから、少々飲みにくいと感じる方も多いのかもしれません。私も去年はソムリエ試験の勉強のため、ワインをよく飲んでいたので、ワインに比べ日本酒は、アルコールが強くてあまり量が飲めないなと感じていました。
そこで酒持田本店では、女性の蔵人が開発した華やかで口当たりが柔らかく、飲みやすい日本酒を販売したり、クラウドファンディングを募ってワイン位の低アルコール(12%)の日本酒を開発したり、海外に輸出したりと、日本酒業界を盛り上げるために、新たな取り組みに挑戦しています。
また、酒類だけではなくて梅ジャムやオリジナルグッズも販売されているので、気になった方は是非、島根県出雲市平田町の木綿街道にある酒持田本店に訪れてみてはいかがでしょうか?
※草菴からは車で約15分程度です。
それでは、長くなりましたが読んで頂きありがとうございました。
奥深い日本酒の世界、もっと学んでいきたいと思います!
峠でした。