おちらと日記

そもそもソムリエってどんな職業?

こんにちは、内田洋平です。

私は島根県出雲市の湯の川温泉にある湯宿 草菴(草庵)という旅館でソムリエとして働いています。

さて、皆さんは【ソムリエ】という言葉を聞いてどんなことを思い描くでしょうか?

『あ~、なんかワインの人だよね。』

そうですね、先人たちの努力のおかげで【ソムリエ=ワイン】という認識はほぼ定着しつつあるのではないでしょうか。

『あれじゃない?野菜ソムリエとか温泉ソムリエとか色々あるよね!』

なるほど、これもあります。ソムリエという言葉が【○○のスペシャリスト】であるという繋がりからワインだけでなく様々な分野においての専門家、というような意味合いで冠として使われていることも沢山あります。

             

『高級なフランス料理屋さんとかで、ちょっととっつきにくい感じの人達かなぁ?』

確かに。実際はどうかはひとまず別にして、イメージとしてはそうあることも否定はしません。何かこう話しかけたら/話しかけられたら、よく分からない言葉を沢山言われてよく分からないまま何か注文しちゃいそう!というようなところでしょうか。

他にも色々なイメージがあるかと思いますが、私自身が考えるソムリエとはこうです。

【お客様が気持ちよくそのお店で飲食ができるよう全力でお手伝いをするサービスマンのこと】

…えっ?ワインの【ワ】の字も出てこないんですけど!?
そうなんです。出てこないのです。

私も所属している日本ソムリエ協会(J.S.A.)ではこのように定義されています。

【ソムリエとは飲食、酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関、酒類製造のいずれかの分類に属し、酒類、飲料、食全般の専門的知識・テイスティング能力を有するプロフェッショナルを言う。ソムリエの役割は、飲食店もしくは酒類・飲料を販売する施設におけるそれらの提供、ならびに商品の適切な紹介とサービスを中心に、啓蒙・普及・研究・教育を目的とした専門的なアドバイスや清潔で衛生的な食事環境の維持など広範に及ぶ。ソムリエの資格はここで言う定義・役割・求められる能力に適うと認められた者に対して、然るべき機関(我が国においてはJ.S.A.)により認定される。

※通称として既に様々な「○○○ソムリエ」として使用されているが、職業分類において正式な呼称ではない。

厚生労働省 職業分類(大分類E サービスの職業、中分類40 接客・給仕の職業、小分類403 飲食物給仕係、細分類403-03 ソムリエ)のとおり認定された独自の職業である。】

この中にも実は【ワイン】という単語は一切出てこないんです。つまり、簡単に言うとソムリエは飲食に関わる様々な形態における仕事のスペシャリスト、となります。

従って私の場合は接客を主たる業務としていますので、飲食を通してお客様に楽しく気持ちよく過ごしてもらうスペシャリストであると言えます。
(自分で言っておきながら自分が本当にそうであるか自信がなくなってきましたが…)

一般的にホテルや街のレストランではよく見ることはありますが、温泉旅館でソムリエがいるというのはまだまだ割合としては少ないのではないでしょうか。実際接客をしていても、ソムリエのトレードマークである葡萄のバッジをご覧になって『ソムリエさんなんですね~』と驚かれるケースが多々あります。なので温泉旅館のソムリエというのはワインを提供している以上大切な付加価値になるのではないかと私は思います。

というわけで今回は、改めてソムリエとはどういう職業かについてお話しました。
もし草菴へいらして頂けた際には皆様が気持ちよくお過ごし頂き、良い思い出としていつまでも心に残るようスタッフ一同お手伝いしたいと思います!

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